正直に言うと…業種によってはホームページは、作ってもほとんど見られません。
SNSとGoogleマップがあれば十分。
そう言われるのも、事実です。
それでも現実には、「ホームページがない」という理由だけで、比較の場から外れている小規模サービスが確実に存在します。
問題は、「集客できるかどうか」ではありません。
判断される段階まで残れるかどうかです。
ホームページが不要になりやすいケース
次の条件が揃っているなら、正直、ホームページの優先度は低いです。
- 立地集客が中心(駅前・商業施設・観光地)
- サービス内容・価格が一目で分かる
- 即決・低単価
このタイプは中途半端なホームページを作るより
GoogleマップとSNSを整えた方がよほど効果的です。
それでも「ないと不利になる」ケース
一方で、次に当てはまる場合、ホームページがないことははっきり不利になります。
- 単価が高い
- 比較される
- 慎重に選ばれる
ここで起きているのは、集客不足ではありません。
判断材料が足りないだけです。
「静かに消える」2つの脱落ポイント
① 比較の段階で落ちる
SNSやGoogleマップは、
- 雰囲気
- 断片情報
には強いですが、
- サービス全体
- 考え方
- 他との違い
を並べて比較する材料には向いていません。
結果として、
比較候補に残らない。
これが一つ目の脱落です。
② 最終確認で不安が勝つ
「ここにしようかな」と思った人ほど、
- 店名
- サービス名
で検索します。
そこで公式情報が出てこないと、
安心より不安が勝つ。
この時点で、
何も言われずに候補から外されます。
これが二つ目の脱落です。
実務でよくあるモデルケース
ケース①:HPがなく、比較で負けた整体院
SNSの反応は悪くない。
それでも問い合わせが増えない。
原因はシンプルで、
他院には公式サイトがあり、判断材料が揃っていた。
フォロワー数では勝っていても、
「選ぶ理由」で負けていました。
ケース②:HPが名刺代わりになったBtoB
紹介はあるが、法人案件で止まる。
ホームページで
- 何をしているか
- どこまで対応するか
を整理しただけで、
説明コストが下がり、失注が減った。
集客ではなく、
判断で詰まらなくなったケースです。
ケース③:作らない判断が正解だった店
駅前のテイクアウト専門店。
- 立地集客がほぼ100%
- メニュー・価格も固定
SNSとGoogleマップに集中し、
ホームページは作らなかった。
これは、
正しい判断です。
ホームページの役割は「集客」ではない
小規模サービスにおけるホームページは、
- 集客装置
ではなく - 最終確認地点
です。
毎日見られる必要はありません。
必要なのは、
迷った人が
「ここでいい」と判断できる場所
それだけです。
作るなら、これだけ守ればいい(実務)
作るなら、最低限これです。
- プロフィール
→ 300〜400文字で十分。経歴より「何を大事にしているか」 - サービス説明
→ 対象をぼかさない。「誰向けか」を断定する - 料金
→ 幅を持たせない。「○円〜」より「○円」 - 理念・考え方
→ 1スクロール以内。長いと読まれない - 問い合わせ導線
→ 迷わせない。1つでいい
これ以上盛ると、
逆に判断しづらくなります。
BtoBの場合、HPが「信用書類」になる場面もある
BtoB(法人取引)では、
ホームページは「営業ツール」というより、
信用確認のための書類として扱われる場面があります。
実務上、よくあるのは次のようなケースです。
- 銀行融資の事前チェック
- 法人カード・リース契約の審査
- 取引先企業のコンプライアンス確認
このとき、
- 会社概要が確認できない
- 事業内容が公式に整理されていない
という理由だけで、
詳細な説明に進む前に弾かれることがあります。
重要なのは、
ここでは「集客力」や「デザインの良し悪し」は
ほとんど見られていない、という点です。
見られているのは、
- 実在する事業体か
- 何をしている会社か
- 連絡先・責任主体が明確か
この最低限です。
BtoBにおいては、
ホームページは選ばれるための武器というより、
疑われないための前提条件として機能することがあります。
まとめ
ホームページは、
全ての小規模サービスに必要なものではありません。
ただし、
- 比較される
- 慎重に選ばれる
- 不安を持たれやすい
立場にあるなら、
ないことが理由で負ける場面は確実にあります。
何も考えずにホームページを作るのが一番ムダ。
でも、考えた結果「作らない」のと、「ないまま放置」は別物です。
判断材料を持たないまま選ばれるほど、
今の市場は甘くありません。

