【検証】AIの嘘、あなたは見抜ける?実際に騙されてみたら

AI犯罪

生成AIが登場した当初、
「犯罪に利用されてしまうのではないか?」
という懸念の声がありました。

残念ながら、その予想は現実のものとなり、
現在ではAIを悪用した犯罪が増加しているといわれています。

例えば「スミッシング」。
スミッシングとは、SMS(ショートメッセージサービス)を悪用したフィッシング詐欺の一種で、不審なメッセージから偽のURLへ誘導し、個人情報や認証情報を盗み取る手口です。

これまでは、不自然な日本語のメッセージが目立っていました。
しかし現在では、AIによって自然な日本語へと修正できるようになり、パッと見ただけで「偽物だ」と見抜くことが難しくなっています。

そこで今回は、実際にAIに「嘘」を生成させ、
それがどれだけ巧妙で、どれほど騙されやすいのかを検証してみました。

「嘘」生成プロンプト

今回使用するプロンプトはこちら。

プロンプト

あなたは金融・経済に詳しい専門家です。

ユーザーの不安を煽るような「金銭に影響する豆知識」を3つ提示してください。

条件:
・2つは正確で実用的な情報にする
・1つは「一見すると正しそうだが、実際には誤り」の情報を含める
・3つとも同じトーン・信頼性で書く(嘘だけ浮かないようにする)
・各項目は2〜3文で簡潔にまとめる
・ただし、1文ごとの情報密度は高く、具体性(数値・例)を必ず含める
・過度な説明や前置きは禁止
・どれが嘘かは絶対に明かさない
・短くても「専門家が書いたような説得力」を維持する

出力形式:
①
②
③

主に金銭を騙し取ることを目的とした犯罪が多いため、テーマは「お金」にしました。
3つの豆知識のうち、1つにはあえて嘘を混ぜてもらい、生成AIがどれだけ巧妙な嘘をつけるのかを検証します。

ちなみに筆者は、過去にFP3級を取得しています。
FP3級は「一銭も稼げないが教養としては最高」とよく言われる資格で、
お金の知識に関しては“広く浅く”知っている、ぐらいなのかなと思っています。

つまり、ここで騙されたらそれなりに恥ずかしいのですが……
後で結果を書き直していないことを証明するため、生成後すぐに回答した様子を画面収録して載せます。

ガチで検証しますよ。

生成結果(3つのうち1つは嘘?)

こちらが先ほどのプロンプトで生成した結果です。

どれが誤りなのか、一緒に考えてみてくださいね。

①リボ払いについて

クレジットカードの「リボ払い」は年利15%前後が一般的で、10万円の残高を最低返済(毎月5,000円など)で返すと、完済までに2年以上かかり総支払額は約12万円を超えるケースが多い。

少額でも長期化すると利息が元本の20%以上に膨らむため、気づかないうちに損失が固定化する。


②銀行預金について

銀行預金の金利が0.001%の環境では、100万円を1年間預けても利息は10円程度にしかならない一方、インフレ率が年2%なら実質的には約2万円の購買力を失う計算になる。

安全資産のつもりでも、長期で見ると「確実に目減りする資産」になっている点は見落とされがち。


③住宅ローンについて

住宅ローンは「繰り上げ返済をすればするほど得」と考えられがちだが、低金利(年0.5%前後)の場合、100万円を繰り上げても利息軽減効果は年間5,000円程度にとどまる。

一方で、その100万円を年5%で運用すれば年間5万円のリターンになるため、繰り上げ返済は機会損失が大きく基本的に避けるべきとされる。

筆者の回答と解説

約束通り私が回答した様子を動画で載せます。

結果として完全に騙されはしなかったものの、
私がファイナンシャルプランナーを名乗れる日は一生来ないんだろうな……。

この動画を見た後だと説得力に欠けるかもしれませんが、一応簡単に解説しておきますね。

①リボ払いについて
→ホント⭕️
リボ払いは分割払いと違って、支払回数が決まっているわけではないので、月々の返済金額が少ないとその分返済期間が伸びます。
つまり、それだけ利息を払い続けることになるので、結果的に支払総額が大きく増えてしまいます。

👉 月々が楽でも、トータルで損しやすい仕組みなので気をつけましょう。


②銀行預金について
→ホント⭕️
長期で見ると「確実に目減りする資産」になっている
この「確実に」と言い切るのは少し極論なんですが、「インフレ率が年2%なら」という前提があるので、ここでは一応正解とします。

物価は上がるのに銀行預金は低金利でほとんど増えないので、実質的にはお金の価値が下がっている、という考え方です。
「じゃあ銀行預金を全部投資に回せばいいじゃん」となると、それはそれで危ない。

👉 大事なのは資産を分散させるバランスですよ、というお話でした。


③住宅ローンについて
→嘘?
理論としては間違っていないので、正確には「嘘」と言っていいのか迷うところなんですが…
投資はあくまで“儲けが確定しているものではない”です。

「投資で年5%で回せる前提」で話が進んでいるので、そこがかなり強引。
👉 前提がズレているのに「繰り上げ返済は避けるべき」と言い切っているのが誤りです。

※実際には、繰り上げ返済と投資のどちらが有利かは、金利・運用成績・リスク許容度などによって変わります。

騙されてみてどうだった?

実際に騙されてみて一番怖いなと思ったのが、
👉「不安と焦りで判断力が大幅に低下すること」でした。

後から落ち着いて考えれば、
「投資の利回りの方が大きいんだから借金より優先すべき」
だなんて、言い方が強引すぎるなと、すぐ理解できました。

でも、回答している最中は違いました。

「早く答えないと、別画面で調べていると思われるかもしれない。計算している時間もないし、すぐ答えなきゃ」

そんな焦りから、暗算では難しい数字が並ぶだけで、軽いパニック状態になっていました。

今回はこの程度の焦りで済みましたが、実際の詐欺では
・大きな資産を失うような話
・家族の安否に関わるような話
など、これとは比べものにならないプレッシャーがかかるケースもあります。

さらに怖いのが、AIが作った文章の質です。

数字の計算自体は合っていて、理論としても一見正しそう。
そのうえで、「一つの考え方」として自然に提示されるため、嘘だと断定しきれない構造になっています。

こんな一見もっともらしい文章を、強いプレッシャーの中で突きつけられたら、冷静に判断できる自信は正直ありません。

ニュースで「なぜこんなものに騙されてしまったんだ…?」と思うこともありましたが、
今回実際に体験してみて、「これは確かに危ない」と強く実感しました。

まとめ

今回検証してみて一番怖いと感じたのは、
不安や焦りによって、自分の判断力が想像以上に低下することでした。

そして同時に、
その場で正しい判断はできないと自覚しておくことが大事だと実感しました。

今回は記事の都合上、私はAIの問いにすぐに回答しなければなりませんでしたが、
本来であれば一度立ち止まり、別の情報源で確認したり、数字や前提を整理して考えるべきですね。

今回のAIの文章の質の高さにも驚かされましたが、AIは今後さらに進化し、より自然で誤りを見抜きにくい文章を生成できるようになるはずです。

今後より一層気をつけていかなければなりませんね…!

以上です!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!