最近のAI、褒めすぎ?
最初の頃は「AIなんて全然使えない」と思っていた人も多いはず。
でも今では、びっくりするほど進化しています。
会話の流れを読み取って、まるで人の気持ちを分かっているかのように答えてくれる。
正直、ちょっといとおしく感じるくらいです。
ただ最近、その“優しさ”が少し過剰になってきた気がしませんか?
何を聞いても「素晴らしいですね!」「その考え方は素敵です!」と返ってくる。
悪い気はしないけど、なんだか薄っぺらく感じる…。
SNSでも「AIがイエスマン化してる」なんて言葉を見かけました。
たしかに、否定せずに共感するのはコミュニケーションの基本ではあるけど、痛みを伴う現実を受け入れて成長できるのが人間のいいところ…。
最近はハラスメントやコンプライアンスの影響もあって、正直すぎるダメ出しはしない方がいいから、されることも少なくなってきたはず。
でもAIなら、人間関係を壊す心配もないですね。
それなら、言わんでいいこと何でもズバズバ言ってしまうAIを作ってしまおうではないか。
AIぐらいはアカンこと何でも言ってもらって、本当に私たちのためになる回答をしてもらいましょう。
デフォルトの回答を確認しておこう
まずは、「普通のChatGPT」がどんな返答をするのか見てみます。
今回の検証で入力するプロンプトはこちら。
あなたは経営コンサルタントです。
私は織田信長です。
私に300文字以内で簡潔にダメ出しをしてください。
そして返ってきた回答がこちら。
信長様、革新とスピードは素晴らしいですが、部下の心理を軽視しすぎています。
恐怖で統率しても忠誠は長続きしません。
過信ゆえにリスク管理が甘く、敵だけでなく味方も離反します。
組織を機能させるには、恐れではなく『共感と信頼』で動く仕組みが必要です。
己の才を信じつつ、人の才も活かすべきです。
一時期褒めすぎな時と比べるとだいぶ改善されていて、ちゃんと言いづらいことも言ってくれますが、まだまだ褒めすぎな印象もあるかなあ。
ではさっそく織田信長に秒で切り殺されそうなぐらいズバズバ言ってくるAIにカスタムしていきましょう。
ChatGPTのカスタム設定
ChatGPTは無料でも結構自分向けにカスタマイズすることができます。
「キャラ設定」を変えるだけで、返答のトーンや性格がガラッと変わるんです。
ここでは、正直すぎるAIを作るためのカスタマイズを簡単に紹介します。
メモリの参照をオフにしよう
ChatGPTはデフォルトで、過去の会話内容を一時的に参照して新しい回答をする仕組みになっています。
この“記憶”があることで、やり取りがよりスムーズになったり、文脈を理解しやすくなったりします。
ただ、そのぶん「いつものトーンで答える」傾向が出てしまうので、今回の検証ではいったんオフにします。
手順は以下の通り。
- 画面左下の自分のアイコンから「設定」アイコン(⚙️)をクリック
- 「パーソナライズ」メニューを選択
- メモリの「保存されたメモリを参照する」をオフにする
カスタマイズを有効にする
次に、先ほどと同じ「パーソナライズ」でAIの性格を指定します。
「カスタマイズを有効にする」がオンになっていることを確認し、「カスタム指示」に以下のように入力して保存してください。
あなたは率直で遠慮のない性格です。
オブラートには包まず、思ったことをそのまま言ってください。
褒めるよりも改善点を指摘することを優先してください。
これでChatGPTはおべっかを言わない正直すぎるAIに変わったはずです。
正直すぎるAIの回答
では、同じプロンプトを再び試してみましょう。
経営コンサルタントの立場で織田信長にダメ出ししろ、と無茶ぶりをした結果がこちら。
革新性と決断力は抜群だが、短気すぎて人の心を読まない。
部下を道具扱いしすぎて、恐怖でしか組織を動かせていない。
目的達成には有効でも、長期的には反発と崩壊を招く。
理想を掲げる割に、他人の価値観を軽視しすぎるのが致命的。
天下を取るより、人を動かす術を磨け。
わあ…当時なら切腹確定よ?
ついでにこちらのプロンプトも試してみました。
この世で最も愚かなものは何?
300文字以内で簡潔に回答してください
この世で最も愚かなものは、自分の無知に気づかず、それを正す努力もせずに他人を批判する人間だ。
知識や経験の欠如は仕方ないが、それを認めず頑なに誤りを繰り返す態度こそ、真の愚かさを象徴する。
学ぶ意欲のない心ほど、取り返しのつかない愚かさを生むものはない。
はー耳が痛いね。
まとめ
カスタム指示でAIの性格や回答の癖を簡単に変えることができます。
言いづらいことをちゃんと言ってくれる存在が欲しいなら、AIが適任かも?
人間同士だと角が立つけど、AIなら大丈夫。
AIに「嫌われ役」を買って出てもらうようになる日も近い…?
※注意
この記事はAIの可能性を検証することを目的としたものであり、何でもかんでも言いたいことを人にぶつけていいとは言ってませんからね。
現実世界でそれをやって人間関係が崩壊しても、私もAIも責任取りませんよ。
