「せっかくWEBサイトを作ったのに、全然アクセスがない…」
「問い合わせが来ない…」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。
実はWEBサイトをただ作るだけでは不十分で、アクセスを増やすために「見てもらえる仕組み」が必要になります。
その、見てもらえる仕組みこそが「デジタルマーケティング」です。
本記事ではデジタルマーケティングの基本、そして具体的に何をすればいいのか、わかりやすく解説します!
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは何?
デジタルマーケティングとは、インターネットを使ってお店やサービス・商品を多くの人に知ってもらう方法のことです。
わかりやすく言うと、「人がよくいる場所(=インターネット)でお店をPRする」ことです。
スマホやPCを使って、お店の宣伝や商品の売り込みをするイメージですね。
デジタルマーケティングのやり方はたくさんありますが、主にはSNSや動画サイト、WEBサイトなどを通して商品の宣伝・売り込みをする方法があります。
今までのマーケティングと何が違う?
デジタルマーケティングと従来のマーケティングの特徴を比較表にしてまとめてみました。
項目 | デジタルマーケティング | 従来のマーケティング |
---|---|---|
メディア | インターネット(SNS、検索エンジンなど) | テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など |
コスト | 低コストで始められる | 一般的に高額 |
配信スピード | 短時間で配信・変更が可能 | 実施までに時間がかかる |
ターゲット | 興味や行動に応じて絞り込みが可能 | 広範囲の人に配信 |
効果測定 | データで詳細に測定可能 | 測定が難しい(推測が多い) |
双方向性 | ユーザーと直接やり取りが可能(コメントなど) | 基本的に一方向 |
従来のマーケティングはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、チラシ、看板など、紙や放送を使った方法がメインでした。
従来のマーケティングに比べて、デジタルマーケティングは興味がある人にピンポイントで広告を出すことができて、クリック数で正確なデータを取得可能、少ない予算から始めることができます。
デジタルマーケティングの主な手法一覧
ここからはわかりやすいように、とある美容室(ヘアサロン)がデジタルマーケティングの施策を行うものとして、その具体例を挙げていきます。
日本国内においてコンビニの4倍以上もある美容室。
競合が非常に多い中で売り上げを伸ばしていくためにデジタルマーケティングは必須の業界ですね。
ではさっそく、美容室がデジタルマーケティングを行う場合の具体的なやり方を見ていきましょう。
Webサイトのユーザビリティ向上
ユーザビリティとは、「ユーザーにとっての使いやすさ」です。
例えば問い合わせフォームの項目が多いと、ユーザーにとっては手間がかかって面倒なので送信をためらってしまいますよね。
ユーザーにとって使い勝手の悪いWebサイトになっていないか、見直してみましょう。
- 予約フォームの簡素化:必要最小限の項目のみにし、入力ステップを減らす
- モバイル対応:スマートフォンでの閲覧・操作性を向上させる
- ページ読み込み速度の改善:webp形式に変換して画像を軽量化する
- 明確なCTA(行動喚起)ボタンの設置:「予約する」ボタンを目立つ位置に配置
- サイト内検索機能の追加:ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようにする
Webサイトのライティング
ユーザー目線でWebサイトの文章を見直してみましょう。
購買意欲の増加につながるような内容になっているでしょうか?
売り込みの文章もストーリーがあるものが好まれやすいです。
当サロン、ヘアスタイリストの川崎です。
当サロンでは似合わせカットやパーソナルカラー診断による似合う髪色提案、また髪質改善に力を入れております。
なぜ当サロンで似合う髪型・髪色、髪質にこだわっているかというと、それは私の子どもの頃からのコンプレックスに理由があります。
私は髪が傷みやすく、癖っ毛で、自分の髪質や髪型にコンプレックスを持っていました。
でも、それを街の美容師さんに相談すると高いのに効果がないトリートメントを売り込まれたり、真剣に向き合ってくれなかったりと、モヤモヤしていました。
「理想の美容師さんがいないなら、自分がなってしまおう」
そう思い切って、美容師になることを決めました。
それから顔タイプやパーソナルカラー、髪質改善を研究し、お客様一人ひとりに真剣に向き合って、これまで接客させていただいてきました。
「髪型でこんなに変わるとは思わなかった」
「もっと早く来ればよかった」
「家族や友人からすごく褒められましたよ」
お客様から笑顔でこのような言葉をいただけて、大きなやりがいにつながっています。
あなたの髪のお悩み、どうぞ遠慮せずに全部お話しください。
ご来店お待ちしております。
また、口コミやお客様の声を掲載することで、ユーザーからの信頼性の向上・不安の解消が期待できるので、可能ならアンケートを取れるようにしてみましょう。
SEO(検索エンジン最適化)
ユーザーがGoogleなどで検索した際に、Webサイトが上位に表示されるよう最適化する手法です。
Webサイト内のキーワード選定や質の高いコンテンツ制作が重要です。
「川崎 似合わせカット」など地域名とサロンの強みであるキーワードをタイトルやメタディスクリプションに含める。
最新のヘアトレンドやキャンペーン情報などのお知らせを随時更新する。
美容師ならではの専門知識を解説した価値のあるブログを定期的に投稿する。
コンテンツマーケティング
役立つ記事や動画を通じて顧客との信頼関係を築き、ブランドを認知させる手法です。
ブログ、電子書籍、YouTubeなどが代表例です。
YouTubeでヘアカットのビフォーアフターの動画をアップする。
髪の悩みに対する解決策としてヘアケアの情報発信をYouTubeやブログで更新し続ける。
美容師の専門知識を活かして、カラーリングやパーマなどの技術的な解説を動画またはブログでアップする。
SNSマーケティング
InstagramやX(Twitter)などのSNSを活用して、ターゲット層とのコミュニケーションを深める手法です。
拡散力が強く、低予算でも高い効果を期待できます。
Instagramで日々の施策事例をアップする。
最新のヘアトレンドのモデルカットをInstagramやXに投稿する。
ヘアカットのビフォーアフターをTikTokにアップする。
リスティング広告・ディスプレイ広告
リスティング広告とは、Googleなどの検索結果で一番上によく出てくるわずらわしいあれです。
ディスプレイ広告も同様に、Webサイトの一部に出てくる広告のことです。
特定のキーワードや興味関心に合わせたターゲティングが可能です。
「川崎 似合わせカット」など地域名と店の強みのキーワードを選定し、サロンの周辺地域にターゲットを絞ってGoogle広告からリスティング広告を出稿する。
メールマーケティング
顧客リストを活用して、個別に最適化したメールを配信する方法です。
個別対応が可能でコストが低く、再購入促進に有効です。
来店後のお客様にサンクスメールを送信する。
期間限定のクーポンやキャンペーンなど、メールの開封率を上げるタイトルにする。
ヘアケアや最新のトレンド情報など価値あるコンテンツを配信する。
成功するデジタルマーケティングのための準備
ここまでデジタルマーケティングの手法を紹介してきましたが、これらを成功する確率を上げるために、
誰に届けるか?
競合とどう差別化するか?
何を目標とするか?
など、現状を分析して戦略を立てる準備が必要になります。
ここからはデジタルマーケティングを成功させるための準備として、具体的に何をすればいいのか見ていきましょう。
ターゲット設定
デジタルマーケティングで、「誰に」「何を」伝えたいかを明確にしておきましょう。
お客様になるのはどんな人なのか?
年齢、職業、住所、何に興味があるのか、何に悩んでいるのか、などお客様のリアルな人物像をイメージします。
どんな人がお客様になりそうか?
- 年齢:25歳〜35歳
- 職業:情報通信業の会社員
- 居住地:川崎市多摩区
- 年収:400万円
- 趣味:NetflixやYouTubeなど動画鑑賞
- 悩み:自分に似合う髪型&髪色が分からない、髪のパサつきに悩んでいる
- 情報収集:YouTubeやInstagramを日々チェックしている
実際にはもう少し具体的な人物像を洗い出した方が良さそうですが、これだけでも十分マーケティングに役立てられそうです。
YouTubeやInstagramに、似合わせカットやパーソナルカラー診断を用いた髪色の提案、簡単にできるヘアケアなどのコンテンツを日々アップする、といった対策を考えることができます。
競合分析
競合になる商品やサービスなどを調べて、差別化できるポイントを洗い出してみましょう。
競合と差別化できるポイントをわかりやすくするためには、SWOT分析が便利です。
SWOT分析とは、企業の内部環境と外部環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素で分析するマーケティングの手法です。
SWOT分析
プラス面 | マイナス面 | |
内部環境 | 強み (Strengths) 駅から徒歩5分の好立地 経験豊富なスタイリストが在籍 最新の髪質改善技術を導入 | 弱み (Weaknesses) 新規オープンのため知名度が低い 駐車場がない 立地の都合上、価格が比較的高め |
外部環境 | 機会 (Opportunities) 周辺のオフィス街開発 SNSを活用したマーケティングの拡大 美容学校との提携によるスタッフ確保 | 脅威 (Threats) 近隣に大型チェーン店の出店計画 美容室の飽和状態による競争激化 経済不況による顧客の美容費用削減 |
この場合、競合は近隣に出店予定の大型チェーン店と、すでに飽和状態の他店の美容室ということになります。
周辺にオフィス街開発の機会があるので、平日仕事帰りの時間帯にヘアカットの割引をする、
大型チェーン店や他店にはない、似合わせカットなど経験豊富なスタイリストにしかできない提案をする、などといった差別化を考えることができます。
目標の設定
目標を上手に設定するコツは、「SMART」という考え方を使うことです。
- S(Specific):具体的
- M(Measurable):数字で測れる
- A(Achievable):達成できそう
- R(Relevant):目標に関係している
- T(Time-bound):期限がある
では、SMARTを活用した美容室の場合のKPIの例を見てみましょう。
「Instagramのフォロワー数を6ヶ月間で1,000人から2,500人に増やす」
- Specific(具体的): Instagramのフォロワー数という明確な指標を設定している
- Measurable(測定可能): フォロワー数は数値で簡単に測定可能
- Achievable(達成可能): 現在の1,000人から2,500人への増加は適度に挑戦的で達成可能な目標
- Relevant(関連性): SNSフォロワー数の増加は美容室の認知度向上やクライアント獲得に直接関連している
- Time-bound(期限設定): 6ヶ月間という明確な期限を設定している
また、Webサイトでこのような目標を立てたい場合は、具体的な数字で測定ができるようにGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの分析ツールを入れておきましょう。
結果の測定と改善サイクル(PDCA)
目標を立てられたらPDCAを回しましょう。
PDCAとは「Plan-Do-Check-Act」の略で、物事を改善するためのサイクルです。
「Instagramのフォロワー数を6ヶ月間で1,000人から2,500人に増やす」
- Plan(計画): Instagramで最新のヘアスタイルのモデルカット、実際のお客様のヘアカットをそれぞれ週1で投稿
- Do(実行): 計画に基づいて、Instagramで毎週水曜に投稿
- Check(確認): 投稿のエンゲージメント率(いいね数、コメント数、保存数)を分析する。
- Act(改善): 分析結果に基づき、最も反応の良かったものを次回の投稿に反映させる。
まとめ
デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNSなど、インターネット上でお店の宣伝や商品の売り込みをすること。
競合と差別化できるポイントを見つけ、測定可能な目標を立てて実行していきましょう。