【AI格差】厳しい競争社会で生き残るためにできることは?

AI格差

「AIに仕事を奪われるかも」

ChatGPTをはじめとしたチャット式のAIが登場してから、そんな声もちらほら聞くようになりました。

実際に「AI失業」は起きているのかどうか知りたくて、データを集めてみました。

そして今後市場価値がゼロにならないように、私たちは具体的にどんな行動を取ればいいのかを調べてみました。

日本で大規模な「AI失業」はまだ起きていない

こちらは日本国内の完全失業率の推移です。

完全失業率
2022年(ChatGPT登場前) 2.6%
2023年 2.6%
2024年 2.5%
2025年(推計) 2.4〜2.6%

出典:総務省統計局|労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)11月分結果

この通り、失業率はChatGPT登場以降も横ばいで、まだ大規模な「AI失業」は観測されていません。
(※ただし失業率は景気や人口動態の影響も大きく、業種別で見るとホワイトカラー職の変化は今後顕在化する可能性があります。)

ただ、安心と言っていいのかどうかはまた別の話で…

アメリカではテック業界の一部で、AIに多額の投資をするためのコストカットなどを理由に、2025年に大規模な人員削減が発生しました。

マイクロソフト

Microsoft has confirmed that it will lay off as many as 9,000 workers, in the technology giant’s latest wave of job cuts this year.

「マイクロソフトは、今年に入ってからの一連の人員削減の中で、最大9,000人の従業員を解雇することを認めた。」

引用:BBC|Microsoft to cut up to 9,000 more jobs as it invests in AI

Amazon

While this will include reducing in some areas and hiring in others, it will mean an overall reduction in our corporate workforce of approximately 14,000 roles. 

「一部の業務の削減と新規採用を含むものの、全体で約14,000人の従業員が削減されることになります。」

引用:Amazon|Staying nimble and continuing to strengthen our organizations

Intel

We plan to deliver $10 billion in cost savings in 2025, and this includes reducing our head count by roughly 15,000 roles, or 15% of our workforce. 

「2025年には100億ドルのコスト削減を計画しており、これには約15,000人、つまり全従業員の15%の人員削減が含まれます。」

引用:Intel|Actions to Accelerate our Progress

(※これらはAI投資だけでなく競争激化・コスト構造見直し・景気動向など複合的な理由で行われた人員削減です)

容赦ないなアメリカ…。

日本も終身雇用が崩壊してきているので、他人事ではないかもしれませんね。

日本でAIを使ったことが「ある」人はまだ少数派

生成 AI サービスを使っている(過去使ったことがある)割合(別)

AIサービスを使ったことが「ある」と解答した割合
日本 26.7%
アメリカ 68.8%
ドイツ 59.2%
中国 81.2%

1 種類以上の生成 AI サービスを使っている(過去使ったことがある)割合(日本・年齢

年齢 AIサービスを使ったことが「ある」と解答した割合
20代 44.7%
30代 23.8%
40代 29.6%
50代 19.9%

生成 AI サービスを使っている(過去使ったことがある)割合(日本:年齢別及び世帯年収

世帯年収 AIサービスを使ったことが「ある」と解答した割合
200万円未満 19.3%
200〜400万円未満 16.3%
400〜600万円未満 26.2%
600〜800万円未満 25.6%
800〜1000万円未満 30.5%
1000万円以上 42.1%

出典:総務省(2025)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」

2025年時点で生成AIサービスの利用率に関して、日本は先進国に比べて大きく劣り、
年齢別では若年層が最も利用率が高く、
年収が高いほど利用率が高い、という調査結果が出ていました。

日本ではまだAIを使ったことがある人の方が少数派だったんですね。

子供の頃からスマホを持っている今の20代の利用率が高いのは「まあそりゃそうだろうな」という印象ですが、

年収が高いほどAIの使用率も高いのは、少し残酷な現実です。

PCやスマホ、インターネット環境がなければAIは使えませんから、
一定の経済力が必要なのは事実でしょう。

また、単なる収入差だけでなく、ホワイトカラー比率や情報接触機会の差も影響している可能性があります。

そして、さらに無視できないのが時間格差です。

例えば、AIを使える人なら1時間で終わる仕事を、使えない人は1日かかるとしたら?
この差が積み重なると、1年で約200日分もの生産性の差になります。

経済力の差、情報収集力の差、そして時間格差。
これらが重なり合って広がっていくものこそが、「AI格差」の正体なのだと思います。

AIを「一度だけ」でも使ってみる価値はある

先ほどの表は昨年時点のデータではありますが、AI利用者が少数派なら、
まずは気軽に使ってみるだけでも十分、AI格差への対策につながると思います。

私はいろんなAIを使ってみましたが、誰にでもおすすめできるのはやっぱり王道のChatGPTですね。

他のAIと比べると精度の高い回答が生成されやすかったし、音声で会話できたり画像を生成できたりと、ChatGPT1つで色々対応してくれるので便利です。

慣れてきたらChatGPTとPerplexity AIを使い分けるのもおすすめです。

Perplexity AIとは、情報のソースをリンクで出してくれるAIです。
何を参照して回答を生成したのかわかりやすいので、AIが誤った回答をしていないかどうかがわかりやすいですよ。

AIと「協働できる」人になる

とはいえ、AIを一度使ってみただけで今後の競争社会を生き抜いていけるのかどうかといったら…
まあそんなに甘くないのが現実ですよね。

何か希望はないんだろうかと公的資料を色々探していたところ、

OECD(経済協力開発機構)という、
経済成長を目的に設立された国際機関が発行した、

日本の労働市場とAIについて書かれたレポートを見つけました。
OECD| (2025)「日本における人工知能と労働市場」OECD Publishing

すっごい長いのでめっちゃ短く要約すると…

「日本の労働市場は人手不足が深刻で、AI をうまく職場に取り入れれば生産性や働きやすさを底上げできるが、そのためには研修・自学・対話・ルール整備を通じて「AI と協働できる人」を増やす必要がある

という趣旨のレポートでした。

OECDのレポートや提言自体に法的拘束力まではないものの、
政策の議論の材料に使われるなど、ある程度の影響力はあるようです。

とはいえ、研修まで福利厚生でしてくれるなんて、一部の余裕のある企業だけでしょうね…。

個人でAIと「協働できる」人になるための努力として、できることをまとめてみました。

ステップ1:AIリテラシーの基礎を身につける

「AIを使ってみた方がいいことはわかったけど、何から始めたらいいのかわからない」

そんな方はまずはこちらのサイトにアクセスして、

総務省|生成AIはじめの一歩~生成AIの入門的な使い方と注意点~

PDF一括ダウンロードというボタンをクリックして、
【生成AIはじめの一歩】という資料を読んでみてください。

10分もあれば読み終わるようなページ数で、なおかつ誰でもわかりやすく、
これ一冊でAIリテラシーの基礎が一通り身につくような内容になっていました。

ステップ2:日常生活の中でAIを使いこなす

次は、
「日常生活の中で生成AIを当たり前に使っている」
と言えるレベルにまでもっていきましょう。

先ほどの【生成AIはじめの一歩】の資料内にも日常で活用できるプロンプト例があったと思いますが、
一応こちらにも便利でおすすめなプロンプト例を載せておきますね。

【料理】冷蔵庫の余り物で爆速献立

あなたはプロの家庭料理研究家です。
私の冷蔵庫にある食材を使って、**[20分]以内で作れるレシピを[3つ]**提案してください。

【食材リスト】
[ここに冷蔵庫にある食材を入力しましょう]

【条件】
後片付けが楽なもの(ワンパン料理など)。
子供も食べやすい味付け。
それぞれの調理工程を簡潔に。

【節約】光熱費のコストカット提案

プロの省エネアドバイザーとして回答してください。
私の家の現状に基づき、生活の質を落とさずに光熱費を15%削減する方法を提案してください。

【住環境の情報】
居住形態:[賃貸マンション / 木造一戸建て]
築年数:[約15年]
主な暖房・冷房器具:[エアコン、電気カーペット]
給湯器のタイプ:[ガス / エコキュート]
家族構成と在宅時間:[共働き夫婦、夜間メイン]

【依頼事項】
100均やホームセンターのグッズでできる「断熱対策」を3つ。
家電の「使い方」だけで節約できる裏ワザ。
契約アンペア数や電力会社の切り替えが必要かどうかの判断基準。

【断捨離】片付けの判断をAIに任せる

あなたは「プロの片付けコンサルタント」です。
以下のモノを捨てるべきか迷っています。
客観的な視点で「捨てるべき理由」と「残しても良い条件」を提示し、最終的に私が後悔しないためのアドバイスをください。

【迷っているモノ】
[1年以上着ていないが、高かったブランド服]
[いつか使うと思って取ってあるショップの紙袋(大量)]
[使いかけで放置している便利キッチングッズ]

【分析の切り口】
「今の生活」にどれだけ貢献しているか。
同じものが欲しくなったとき、買い直すコストはいくらか。
それを持ち続けることで奪われている「空間の価値(家賃換算など)」はどのくらいか。

今までだったらプロにお金を払って相談していたことが、今ではAIに無料でいつでも相談できるようになりました。

慣れてきたら、このような日常生活の中での困りごとを解決するプロンプトを自分でカスタマイズしていきましょう。

ステップ3:自分の業務をAIで分解・再設計する

日常生活でのAIの使い方をマスターできたら、次は仕事に応用できるようにします。

以下のプロンプトをChatGPT等の生成AIに入力してみてください。

[ ここにあなたの日常業務を詳細に記述 ]というところに、
こんな感じで普段の自分の仕事を入力してみてください。

例:「顧客対応メールの返信、売上データの入力と集計、企画書のドラフト作成、チームミーティングの議事録作成、上司への進捗報告」

業務再設計プロンプト

あなたは業務分析の専門家です。以下の日常業務を以下の2つに分類・分解してください:

[ ここにあなたの日常業務を詳細に記述 ]

分類基準:

– 自動化可能タスク:データ入力、資料作成、定型文作成、単純集計など、ルールベースで繰り返し行えるもの(AIに任せる)

– 人間スキルが必要タスク:判断、対話、創造、戦略立案など、人間の洞察や関係性が不可欠なもの(人間が強化)

出力形式:

## 分解結果

### 1. 自動化可能タスク(AI任せ)

– タスク1: [具体例とAI活用法]

– タスク2: [具体例とAI活用法]

### 2. 人間スキルが必要タスク(人間強化)

– タスク1: [具体例と強化策、例:AI支援で深掘り]

– タスク2: [具体例と強化策]

### 3. 再設計提案

– 全体の業務フロー改善案(AIと人間の連携例)

– 期待される時間短縮効果とスキルアップポイント

これで、AIに任せるべき仕事と、自分がやるべき仕事が明確になりましたね。

AIに任せられるものは極力AIを活用すると、どんどん仕事がはやい人になっていくことができます。

ここまでいけば、AIと「協働できる」人になれています。

現時点においてはAI格差の中で ”生き残る” 側にまわることができるはずです。

人間が引き受けるもの

先ほどのように業務を分解し、AIに任せられる部分を切り出すことは重要ですが
注意しなくてはいけない点もあります。

AIは提案はできますが、最終的な判断や責任を引き受けることはできません。
誰かを納得させること、信頼関係を築くこと、倫理的に妥当かを判断することは、今もなお人間の役割です。

効率化が進むほど、「人間にしかできない部分」の価値はむしろ高まります。
AIと協働できる人とは、AIに任せる勇気と、自分が引き受ける覚悟の両方を持つ人なのかもしれません。

まとめ

AIの登場と進化によって、今後ますます競争社会の格差が広がる可能性がある。

市場価値が下がらないよう今のうちから人間だけのスキルとAIをかけ合わせる、
「AIと協働できる人」を目指そう。

おまけ:個人的な意見・感想

信頼できる情報を出すために政府の資料ばかり使って、まるで国の回し者みたいになってしまったような…?

「お前の意見はないんか」

と思われそうなので、一応私個人の考えも載せておきますね。

私はたまにこういう記事を書いたりしてますが、本業はwebサイトを作っている人です。

生成AIの中には、「AIで簡単にホームページが作れる」なんていうものも出てきて、

いよいよ廃業かな…?と最初は震えていましたが、

おそらくAIによってweb制作者が失業する可能性は低いんじゃないかと、個人的には考えています。

なぜなら、みんな「金が欲しい」からです。

「AIで簡単になんとかが作れる」っていうサービスのほとんどが、毎月サブスクリプションで結構な金を取るシステムになっています。

どんなサイトを作りたいかにもよるけど、最終的には制作会社に依頼するより割高になっちゃうパターンが多いだろうから、賢い経営者なら、こういうぼったくりサービス使わないだろうなあ、と思っていました。

この状況が覆るパターンとして考えられるのは、

「完全無料で誰もがAIで簡単にwebサイトを作れるサービスを開発してあげるよ!俺の自腹で!」

なんて言う、とんでもないギバーで、えげつない天才が現れることですが…

みんな「金が欲しい」ですよね…?

あのオープンソースのWordPressですら、なるべく金取ろうとしてくるんですから、

そんな奴は永遠に現れねえだろうなと思っています。

こんな感じで、みんな金が欲しいから、案外すぐ失業しそうに思えるような業種でも実際はそうならないケースがweb業界以外でも結構あるんじゃないでしょうか。

AI失業、なんてあまり心配しすぎず、
「AIでこんなこともできるのか、楽しいぞ」
と思えるように日々過ごしていけるといいですよね。

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